トラウマ-インフォームドアプローチの必要性

埼玉県精神障害者団体連合会ポプリ 第4回役員会 資料

「トラウマ-インフォームドアプローチ(TIA)の必要性について」

2021年11月06日(土) ポプリ事務局員 高木良文

 

2021年10月17日(日) コンボ リカバリー全国フォーラム2021 分科会⑩ 16:00~17:20

理解し合えない関係からハーモニーあるチームへ

~トラウマ-インフォームドアプローチそれぞれの視点~

 

【紹介】

トラウマ-インフォームドアプローチ(TIA)では、当事者、家族、支援者、支援機関などが全体でトラウマを理解し、改善のための工夫を行います。この分科会では、当事者、家族、支援者が「チーム」になり、理解し合いながらトラウマから回復していく過程をそれぞれの視点で語り合います。

 

【パネリスト】

ユキ・アボカド(フリーランス)、吉田佳子(当事者家族)、山崎さおり(ACT-J)、宮城整(長谷川病院)、片山皓絵・遊佐安一郎(長谷川メンタルヘルス研究所)

 

【内容から得たこと・考えたこと(文責:高木良文)】

現状:現在、ポプリ役員会が理解し合える場「セイフ・スペース」になっていない(自信がなくなっている)と思われる。今は爆弾だらけ、地雷だらけである。私のせいであり、相手のせいでもある。ポプリのトラウマを減らしたい。

 

希望:環境調整して、ポプリ役員会を「セイフ・スペース(理解し合える場、安寧・安全な場、声を出せる場、ネットワークのある場)」にしたい。

 

方法:

○その場その場に居て、努力している一人一人と関わっていく。

○自力(自分一人)では無理だと知る。

自分が頼れる社会資源(人・施設)を自力・他力で見つける。

○学ぶことが大切。

例えば、面談には事前準備(例えば、○○はOK、□□はNG)が大切。

○お互いの理解が深まり、信頼感が生まれる。

○一人一人の体験はそれぞれで知り得ない。

○能動的に動くことで、相互作用が生まれる。

○お互いを承認するためには、まず、自分を承認し、大切にする。

○今起きていることを知識として理解する。

○スキルアップする。

→ マインドフルネスを通じて、今の自分状態を客観的にとらえられるようにする。

 

○マインドフルネスとは?

マインドフルネス(mindfulness)は、現在において起こっている経験に注意を向ける心理的な過程であり、瞑想およびその他の訓練を通じて発達させることができる。マインドフルネスの語義として、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」といった説明がなされることもある。新しい考え方ではなく、東洋では瞑想の形態での実践が3000年あり、仏教的な瞑想に由来する。現在マインドフルネスと呼ばれる言説・活動・潮流には、上座部仏教の用語の訳語としてのマインドフルネスがあり、この仏教本来のマインドフルネスでは、達成すべき特定の目標を持たずに実践される。医療行為としてのマインドフルネスは、ここから派生してアメリカで生まれたもので、特定の達成すべき目標をもって行われる。マインドフルネスは、大きくこの2つの流れに分けられる。医療行為としてのマインドフルネスは、1979年にジョン・カバット・ジンが、心理学の注意の焦点化理論と組み合わせ、臨床的な技法として体系化した。心をリラックスさせたり、清めたり、思考を制御したり、不快感を即解決することではない。

参考:ジョン・カバット・ジン(Jon Kabat-Zinn、1944年6月5日-)は、マサチューセッツ大学医学大学院(英語版)教授・同大マインドフルネスセンターの創設所長。国際観音禅院(英語版)の崇山行願(英語版)に禅を師事し、ケンブリッジ禅センター(英語版)の創設メンバーとなった。仏教の指導者に修行法と教理を学んだ彼は、それを西洋科学と統合させた。彼は、人々がストレス、悩み事、痛み、病気に対応する手助けとして、マインドフルネス瞑想を教えた。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

※パネリストのユキさんは、「相関図」を描いた。

人間関係を宇宙のように捉えて、カオスの状態からビックバンで始まり、太陽系、銀河系、宇宙というように、考えている。彼女は宇宙をフワフワしたものと例えていた。

 

※長谷川メンタルヘルス研究所の遊佐安一郎先生が作成した図を私が改変した図を下記に記す。

「トラウマ(心的外傷)」が「危機」を与えて耐性領域を狭めるのに対して、「レジリエンス(回復力)」が「安心」を与えて耐性領域を広げることがわかる。