私の思い

私は、ほぼ毎日、希死念慮(死にたいと願うこと)に襲われます。私は自分はこの世に存在してはいけない人間だと思っています。そんな私がいまだに生きているのは、私のそばにいつもいてくれる妻を悲しませたくない、苦しませたくない、という気持ちがあるからです。また、私を信じてくれている人たちをそんな形で裏切りたくないと思っているからです。

私は若い頃、大学院修士課程まで進みましたが、昼夜逆転の研究をしていたことがたたり、周りに責められているような被害妄想や「早く死んでしまえ」というような幻聴に悩まされるようになりました。精神を病んでしまったのです。精神分裂病、今でいう統合失調症を患っていました。自殺しようとして未遂に終わり、入院しました。病院は私にとって地獄でした。何とか退院しなくてはと、主治医の指示に徹底的に従いました。おかげで半年という短期間で退院できました。統合失調症が服薬をしないと高い確率で再発するという病識もないまま、修学・就職しました。

折角、雇って頂いた職場で、私は自分の能力(集中力・記憶力・判断力)の低下を思い知ります。いくら残業してもこなせない仕事ばかり…。社長、本当にすみませんでした。私には仕事をこなせないというプレッシャーは統合失調症を再発するのに十分でした。2年後には職を辞して、自ら病院に通うようになりました。

それから20年以上、正社員となって社会に参加できない日々が続きました。短期間のアルバイトや派遣労働をしていました。働けない時は社会資源(デイケアや地域活動支援センター)を利用して私なりに日々精進できるよう努力していました。自分を障害者として認められるようになるには時間がかかりました。今では自分の障害を受け入れることができ、様々な社会資源(自立支援医療や障害年金や障害者手帳など)を利用しています。訓練して障害者就労も何度か経験しました。

私が病気になったのは過労で病気になるということを教えてくれなかった社会のせいだと思っています。しかし、今ではその社会に支えられ恩恵を受けています。そのため、私は日々、感謝の心と有り難いという気持ちを忘れないようにしています。この心がけを忘れないうちは自分を人並みに思えるのです。最後まで読んで頂き、ありがとうございます。